切手の収集を趣味としている人は多く、切手の中には「記念切手」と呼ばれる国家的行事を記念して発行されるものもあります。
記念切手は希少価値が高く、高額で取引されるものと考えられていますが、近年では「価値がない」とみなされることもあるようです。
実際のところ、記念切手のすべてが価値を失ったわけではなく、今なお高額買取が期待できるケースもあります。
この記事では、記念切手に価値はないといわれる理由や、記念切手を換金する際のポイントなどを解説します。
記念切手は価値がなくなってしまったのか
そもそも、記念切手に価値はないといわれるようになったのは、どのようなことが原因となっているのでしょうか。
以下、主な理由をいくつかご紹介します。
集める人が少なくなった
現代では電子メールやLINEなどのメッセンジャーアプリを使って連絡を取る場面が増え、プライベートで手紙を送る機会そのものが減少傾向にあります。
そのため、手紙を送るのに必要な切手を集めるニーズそのものが減少し、新しいコレクターが生まれにくくなっているとされます。
また、記念切手は一昔前こそブームになりましたが、現在はその頃の熱心なコレクターも年齢を重ねており、総じて切手のコレクターは減少傾向にあります。
加えて、切手を収集するためにはお金が必要になるため、金銭面での負担を考慮し切手集めを止めてしまったコレクターは決して少なくないものと推察されます。
希少性が少なくなった
古い時代の記念切手は、発行枚数が少なかったこともあって、希少価値の高い切手が存在します。
しかし、記念切手自体は発行枚数が増加しており、次第に希少性が薄らいでいます。
発行枚数が多いということは、それだけ手に入れるのも容易になるということなので、査定時に額面を下回ることも十分考えられます。
そのような事情もあり、総合的に見て記念切手の価値は下落傾向にあります。
切手の状態
せっかく記念切手を集めても、状態が良くなければ価値は下がります。
希少価値が高い切手は、その多くが歴史ある切手のため、長い年月が経過したことで状態が悪化している可能性があります。
記念切手を換金する際のポイント
価値が年々減少する可能性があることを考えると、現在記念切手を持っている人は、早めに換金を検討した方が有利かもしれません。
以下、記念切手を換金する際のポイントについて解説します。
シートはそのまま査定に出す
切手はシートの方が枚数を把握しやすく、再販する際の需要も高い傾向にあります。
よって、現在シートとして保管している記念切手は、1枚だけ査定に出そうとせず、シートのまま査定を依頼しましょう。
もし、バラの切手しか持っていない場合は、ファイリング時に仕分けしておくと、査定がスムーズに進みます。
結果として、査定額にも良い影響を与えることが期待できます。
使った切手は査定に出さない
価値があるとされる記念切手は未使用品がほとんどで、使用済み切手はコレクターのニーズが少ないことから、査定には出さない方が良いでしょう。
ただし、例外として「初日カバー」というものがあり、こちらは切手発行当日の消印が押されていることから、額面以上の値段になる可能性があります。
高額な記念切手の種類を知る
記念切手の中には、現存枚数の少なさ・絵柄の美しさなどから、希少価値が高いと考えられているものがあります。
例えば、次のような種類の切手を持っている場合は、査定を依頼すると思っていた以上の値が付くかもしれません。
●戦前の切手(日本で初めて発行された竜文切手、明治時代の桜切手など)
●皇室記念切手(日本皇室の慶事に関連して発行される切手で、明治・大正時代発行のものが希少)
●浮世絵(見返り美人切手、月に雁切手など、浮世絵をデザインとして採用した切手)
このほかにも、希少価値の高い様々な切手が存在しているため、気になる切手がある方は査定を依頼してみましょう。
まとめ
日本人のライフスタイルの変化にともない、記念切手を集めている人は減少傾向にあるため、記念切手は価値がないとささやかれるようになりました。
しかし、未だ希少性の高い記念切手は存在しており、保存状態によっては高額買取も十分期待できます。
自分が持っている、あるいは実家等で見つけた切手が記念切手だった場合は、使用する前に一度査定してみることをおすすめします。