家賃は生活費の中でも比較的ウェイトが大きい支払いのため、クレジットカードで家賃を支払えるようになると、加算されるポイントも大きくなります。
ほとんどの物件において、家賃はクレジットカードで支払えないことが多いと考えられてきましたが、近年は多少事情が変わってきています。
この記事では、クレジットカードでの家賃支払いについて解説します。
クレジットカードで家賃が支払えないケースが多かった理由
家賃は支払額が大きく、毎月オーナーに固定額を支払うタイプのコストにもかかわらず、クレジットカードでの支払いが認められていない物件が数多く存在していました。
その背景には、クレジットカード決済時に発生する「手数料」があります。
家賃をクレジットカードで支払った場合、アパート・マンションのオーナー・不動産会社などに振り込まれる金額は、カード会社が手数料を差し引いた額になります。
決済手数料を概ね5%と想定すると、50,000円の家賃なら2,500円が差し引かれ、それが10戸なら25,000円が差し引かれる計算になります。
アパート・マンションなどのオーナーは、入居者からもらっている家賃を使って物件を購入した際の借金を支払ったり、物件にトラブルが生じた場合の修理代を出したりしています。
そのため、収入が減少することは物件の管理に影響をもたらすおそれがあり、できるだけ支出を増やすことは避けたかったものと推察されます。
実際、決して少なくない額が収入から差し引かれることを考慮し、導入に消極的なオーナー・不動産会社が多数派だったことから、家賃のクレジットカード払いはあまり進んでいませんでした。
ところが、近年ではこのような傾向に変化が生じてきています。
クレジットカードで家賃支払いできる物件が増えている理由
日本でもキャッシュレス化が進む中、日常的にクレジットカードを利用する層が増えてきており、中には「家賃をクレジットカードで支払えるかどうか」という点を物件選びの基準に据えている人もいます。
不動産会社・オーナーの側でも、そのようなニーズをとらえ、徐々に導入を進めているケースが見られます。
また、家賃管理の観点からも、家賃のクレジットカード払いには次のようなメリットがあります。
●入居者の支払い能力に関係なく、自動的に集金が可能(カード会社が支払いを保証)
●クレジットカードを保有しているかどうかで、入居者の信用性を把握できる
●オンライン決済システムなどの導入により、家賃管理を効率化できる
クレジットカード決済のメリットがデメリットを上回ると感じたオーナー・不動産会社は、導入に積極的になることが予想されます。
将来的には、自分の物件が入居希望者から選ばれない状況になることをおそれて、クレジットカード決済の導入を急ぐケースも増えるかもしれません。
入居者がクレジットカードで家賃を支払うメリット・注意点
入居者がクレジットカードで家賃を支払う主なメリットとしては、次のようなものがあげられます。
●クレジットカードのポイントが貯まりやすくなる
●自分で銀行振込をしなくて済む
●支払いを1枚のクレジットカードにまとめられる
●支払日のタイミングを遅らせることができる
ただし、クレジットカードで家賃を支払える場合であっても、次のような条件が課せられている物件もあるため注意しましょう。
●敷金・礼金など初期費用の支払いのみカード対応可
●オーナーまたは不動産会社指定のクレジットカードのみ対応可
その他の注意点として、家賃は支払額が大きくなる傾向にあるため、毎月の支払額を正しく把握した上で引落口座にお金を準備しましょう。
まとめ
家賃のクレジットカード払いを認めることは、入居者だけでなくオーナー・不動産会社にもメリットがあります。
そのため、クレジットカードで家賃を支払える物件は、今後もっと増えるものと推察されます。
ただし、使用できるクレジットカードに制限があるなど、物件や不動産会社によってルールが異なる点に注意が必要です。
現在利用しているクレジットカードの切り替えを検討している人にとっては、引越しのタイミングがチャンスかもしれません。