着物を着る機会が少なくなったなどの理由から、タンスの奥にしまっている着物を処分する場合、着物買取などが主な方法として知られています。
しかし、残念ながらすべての着物が高く売れるわけではなく、売り方によっても値段に差が付いてしまうことがあります。
この記事では、着物を高く売る方法について、高級着物・無名着物の特徴に触れつつ解説します。
自分が持っている着物が高く売れるかどうか不安に感じている方は、ぜひご一読ください。
着物を高く売る方法を知る前に
着物を高く売る方法を勉強する前に、まずはそもそも「着物が高く売れるのかどうか」について考えてみましょう。
着物は価格を決める要素がたくさん存在しており、それらの要素を満たしていない着物は、二束三文にしかならない可能性があるのです。
着物の買取価格を決める要素
多くの方にとって、着物買取を検討する際に気になるのが、その買取相場でしょう。
しかし、着物はその価値を判断する基準が複雑かつ多岐にわたるため、買取価格は業者によって大きく異なります。
代表的な基準としては、次のようなものがあげられます。
●生地の種類(正絹は高額で取引されるが化学繊維は安い)
●手間(手織りなど、作る工程が複雑なものは高く評価されやすい)
●柄(人気のある柄、希少価値の高い染織技法を用いたものなどは評価されやすい)
●作家(有名作家による作品は、無名作品よりも高値で取引される可能性が高い)
●状態(新品未使用である方が価値が高くなる)
このように、着物の価値は様々な要素が複雑に絡み合って決まります。
そのため、業者によって査定額が大きく異なるケースも珍しくありません。
したがって、着物に関しては、一概に「相場」というものを定めることは難しい部分があります。
高額買取が期待できる高級着物
着物の高額買取は、価値の高い着物があった方が実現しやすくなります。
例えば、次のような着物は高価買取されやすいため、自宅にある場合は買取に出すことを検討してみましょう。
大島紬
大島紬は「世界三大織物」にも数えられる絹織物で、織る前に糸を先染めする手法が特徴の、奄美大島の織物です。
絹100%で優雅な光沢を持ち、しなやかで軽く、シワになりにくいという特徴を持っています。
1つ作り上げるのに半年~1年かかるとされ、図柄の美しさや深い艶、軽やかな着心地などが魅力的です。
また、200年着られるともいわれるほど丈夫で、世代を超えて愛用される着物としても評価されています。
江戸小紋
江戸小紋の「小紋」とは、模様を一方向に繰り返し型染めした着物をいいます。
江戸小紋は遠目に見ると無地のように見えるほど、極めて細かく小さな柄付けになっているのが特徴です。
武士の礼装である裃(かみしも)にも使用されており、フォーマルにもカジュアルにも着こなせる、汎用性が高い着物の一種です。
ちなみに、文様によっても買取額に差が生じることもあります。
無名着物でも高額で買取は可能?
作家・産地・ブランドといった面で価値が低い着物は、一般的に無名着物に分類されます。
しかし、無名着物であっても、以下のケースにおいては高値で売却できる可能性があります。
アンティーク着物
大正時代から戦前の昭和初期に作られた着物で状態が良いものは、アンティーク着物に分類されることがあります。
現代の着物にはないオリジナリティのあるデザインが魅力で、例えば帽子・ブーツと合わせるような使い方もできるため、和装をベースにしたコーディネートを楽しみたい方に人気があります。
有名人の影響があるもの
有名人が立ち上げたブランドの着物や、有名タレントが着ていた着物などは、中古着物市場で相場が高くなる場合があります。
ただし、話題性があるうちに買い取ってもらう必要があるため、機を逃さないよう注意しましょう。
金糸・銀糸が用いられているもの
金や銀の糸が用いられている着物は、格の高い高級な着物に使用されることが多い傾向にあります。
煌びやかなデザインの着物を持っている場合は、一度査定を依頼してみましょう。
着物を高く売る方法
いくら高級着物であっても、状態が悪ければ相応の値段にしかなりませんし、無名着物でも要件を満たせば高く買い取ってもらえる場合があります。
着物を少しでも高く買い取ってもらいたいなら、次の点に注意しましょう。
●見切りを早める(タンスで眠らせ続けると劣化のリスクが高まるため、売ろうと思ったらすぐ売る)
●複数の買取業者に依頼する(相見積もりを取って、最も高い査定額を出したところに売る)
●礼装・準礼装はまとめて買取依頼(セット査定で高値が付きやすい)
●証紙・落款は取っておく(着物の価値を客観的に証明できるため、買い叩かれる心配が少ない)
状態が良く、価値の高い着物は、当然ながら高額買取が期待できます。
また、購入者が着る場面を想定し、ニーズを満たせるような売り方ができると、そうでない場合に比べて高値で買い取ってもらえる可能性が高まります。
まとめ
着物を高く売りたい場合、なぜ着物が安く買い叩かれることがあるのか、その理由を知ることが大切です。
価値が高いものはもちろん、状態が良いものであれば、二束三文になる可能性は低いでしょう。
しかし、着物を自宅で保存し続けていると、将来的に価値が下がってしまう可能性は否定できません。
着物を少しでも高く売りたいと思ったら、できるだけ早く行動することが大切です。