振袖と着物の違い|種類や着用シーンについても解説

振袖と聞くと、成人式に参加する華やかな振袖姿の女性を思い浮かべるかもしれません。

しかし、なぜ成人式は「着物ではなく振袖を着るのか」と聞かれて、あなたは答えられますか?

振袖も着物も、それぞれ様々なイベントで着られるものですが、違いを理解できた方がTPOをわきまえた着用ができます。

この記事では、振袖と着物の違いについて、種類や着用シーンに触れつつ解説します。

振袖と着物の違い

振袖と着物は、和装について詳しく知らない方にとって、混同しやすい部分があるかもしれません。

まずは、振袖と着物にはどのような違いがあるのかについて解説します。

振袖の特徴

振袖は、未婚女性の第一礼装として位置付けられる着物の一種で、華やかなデザイン・長い袖が特徴です。

この長い袖は、現代の日本語において、異性を「振る」・「振られる」の語源にもなっています。

昔の日本では、女性側が異性に気持ちを伝える際、振袖の長い袖を左右に振って「好き」という気持ちを伝えていたそうです。

逆に、上下に振ったら「嫌い」という合図になるため、上下に振られた男性の気持ちはさぞ無念だったことでしょう。

振袖の袖丈はm約114cmの大振袖から約85cmの小振袖まで、3種類に分類されます。

振袖は華やかで格式高い印象を与えるため、成人式をはじめ、結婚式や卒業式などの場面で多く着用されています。

着物の特徴

着物とは、振袖を含む和服の総称です。

振袖以外にも、訪問着、浴衣、留袖など様々な種類があり、それぞれ着用シーンや格が決まっています。

訪問着はフォーマルな場で着られることが多く、浴衣は夏祭りなどで着用される着物です。

留袖は、ある意味では振袖と対を成すもので、既婚女性が着る着物として最も格が高い着物とされます。

振袖と着物の基本的な違い

振袖と着物は、どちらも日本の伝統的な衣装ですが、いくつかの重要な違いがあります。

先述した通り、振袖は袖丈が非常に長いのが特徴です。

振袖の「振る」にはお清めの意味もあり、成人式で振袖を着るのは厄払いの意味合いも含まれているとされます。

これに対して、振袖以外の着物は袖丈が短くなっており、幅広い年代の方が着用できます。

ただし、一口に着物といっても様々な種類があるため、その人の立場や出先によってふさわしいものを選ぶ必要があります。

次に柄ですが、振袖は成人式や結婚式などの晴れ着として、振袖にふさわしい華やかな柄が選ばれています。

 一方、着物は柄のバリエーションが豊富で、季節やシーンに合わせて選ぶことができます。

振袖は着用シーンもある程度限定され、成人式や結婚式、卒業式などのフォーマルなシーンに着用するケースが多く見られます。

一方、着物はその種類に応じて、フォーマル・カジュアルを問わず幅広く着用できるのが特徴です。

振袖の種類とそれぞれの違い

振袖は、袖丈によって以下の3種類に分類されます。

大振袖

袖丈が約114cmの大振袖は、振袖の中でも最も格式の高いものです。

こちらは結婚式の花嫁衣装として着用されることが多く、豪華絢爛なデザインが華やかでエレガントな印象を与えます。

中振袖

袖丈が約100cmの中振袖は、大振袖に次ぐ格式の高さを持つ振袖です。

装飾は控えめですが優雅な雰囲気を備えており、成人式でよく着用されます。

成人式以外では、ゲストとして結婚式に参列する未婚女性が着用することも多く、結納・お見合いにもマッチします。

中振袖は大振袖よりも動きやすいため、華やかさと実用性を兼ね備えた振袖といえるでしょう。

小振袖

袖丈が約85cmの小振袖は、振袖の中でも最もカジュアルなものです。

袴とのバランスを考えて小振袖を選ぶ方も多く、卒業式などのイベントで着用されます。

まとめ

振袖は着物の一種で、主に晴れの日に着用するためのものです。

袖丈に応じて大振袖・中振袖・小振袖の3種類に分かれ、着用する場面も多少の違いが見られます。

成人式に着用するイメージが強い振袖ですが、大振袖は花嫁衣裳、小振袖は卒業式などで着られることが多い傾向にあります。

どのタイプの振袖を、どのようなイベントで着用するのか知っておくと、人生の節目を素敵に過ごせることでしょう。

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