着物買取と聞くと、いわゆる「タンスに眠る着物を高価で買い取ってもらう」イメージがあるかもしれません。
しかし、いざ買取に出してみると、思っていたよりも低い値段で買い取られてしまい、ショックを受けた方も多いのではないでしょうか。
着物買取の価格は、実は一律ではなく、様々な要素によって大きく左右されます。
この記事では、着物買取のからくりについて詳しく解説しつつ、少しでも高く売るためのポイントをご紹介します。
「着物の買取価格が分かりにくい」からくり
着物買取の価格が分かりにくい理由の一つとして、着物に「一律の相場がない」という点があげられます。
一般的に、着物の査定額は、買取業者が次のような要素を総合的に判断した上で決まります。
●色合い(年代を問わない薄紫色・草色などは高額買取が期待できる)
●作家や産地(有名な作家・産地であれば高値が付く可能性が高い)
●種類(訪問着は高額査定になりやすい、など)
●生地(絹100%の正絹は高額査定になりやすい、など)
●着用回数(未着用のものの方が高く売れやすい傾向にある)
このほかにも様々な要素があり、買取業者共通の判断基準というものも存在しません。
そのため、同じような着物でも、業者によって査定額が大きく異なることがあるのです。
着物買取業者が売上を出すからくり
査定額が安い着物は、買取業者としても販売に苦しむものなのでしょうか。
実は、着物買取業者が顧客から買い取った着物は、主に以下の4つのルートで販売されます。
●ネットオークション(一般消費者向け、または業者向けのオークションで販売)
●レンタル着物ショップ(レンタル向け着物として販売)
●中古の着物を扱う呉服店(中古着物として販売)
●海外向け(海外の着物好き・愛好家向けに販売)
着物買取業者は、上記のような販売ルートを通じて利益を得ています。
うがった見方をすれば、買取額が安い着物であったとしても、多くの買取業者はそこから利益を出す術を心得ているのです。
着物買取業者が「高額査定」をアピールするからくり
一部の悪質な着物買取業者の中には、高額査定をうたって顧客を集めようとする業者も存在します。
例えば、訪問後に無理やり着物や他のものを買い取ろうとする「押し買い」や、本来の着物の価値よりもずっと低い金額で買い取る「買い叩き」などを目的として、高額査定をアピールすることで顧客を集めようとしている可能性があるのです。
もちろん、高額査定をうたうすべての着物買取業者が悪人とは限りません。
しかし、高額での買取にだけ意識を向けて業者を選んでしまうと、本来なら価値が高いはずの着物を二束三文で売ってしまう可能性があるため注意が必要です。
着物買取を依頼する際は、業者の評判・口コミを事前に確認しておくと安心です。
また、契約に関しても聞き流すことなく、分からないことは必ず担当者に質問しましょう。
着物を少しでも高値で売るポイント
現在持っている着物を少しでも高値で売ろうと考えるのであれば、次のような点を考慮して買取を依頼しましょう。
●付属品を揃える(下駄、帯、かんざしなどの付属品があると査定額がアップ)
●証紙があれば一緒に査定に出す(証紙によって着物の価値を証明できる)
●タイミングを見計らう(卒業式や入学シーズン、結婚式、成人式などの2-3ヶ月前を狙う)
これらの条件を満たし、汚れ・シミなどがない良い状態の着物であれば、高額買取が期待できます。
安心して査定を受けたい方は、近所のリサイクルショップなどではなく、着物の価値を正しく理解してくれる着物買取専門店に依頼することをおすすめします。
まとめ
着物買取業者は、買い取る以上は利益を出さなければならないため、買い取った着物も様々なルートで売りに出されます。
しかし、ことさらに高額買取をアピールする買取業者は避けた方が賢明です。
これから着物買取業者を選ぶ際は、実績や査定基準・買取価格などを明らかにしている業者を選ぶことをおすすめします。