自宅や実家などから骨董品が見つかったら、多くの方は買取や処分などを検討するでしょう。
しかし、骨董品はとてもデリケートなものであることから、一般的な食器・絵画などと同じような取り扱いをすべきではありません。
また、一口に骨董品といっても様々な種類があることから、買取を依頼するお店や鑑定士の選び方にも注意が必要です。
この記事では、骨董品の買取を依頼する際の注意点について、買取前の準備や保管方法にも触れつつ解説します。
骨董品の買取を依頼する前の注意点
遺品整理などで骨董品を見つけ、買取を依頼しようと考えた際は、その前にいくつか注意すべき点があります。
最初に考えなければならないことは、その骨董品を「手放して問題ないかどうか」です。
骨董品の中には、家族・親族にとって思い入れのあるものも少なくありません。
特に、故人との思い出が深い品ともなれば、売り払ってしまったことで人間関係に亀裂が生じてしまうおそれもあります。
次に注意すべき点としては、保管場所の確保・取り扱いがあげられます。
例えば、実家そのものを取り壊す場合などは、新しい保管場所を確保しなければならないため、日光・湿気を避けられる場所を探す必要があります。
また、骨董品は繊細な取り扱いを求められるものが多く、安易な修理・修復が原因で鑑定が正確に行われない場合も考えられます。
場所を移動するなどの理由から触らなければならない場合であっても、皮脂等で骨董品を汚さないよう、手袋をはめて作業することが大切です。
骨董品の買取を依頼する際の注意点
鑑定に向けた準備が整い、骨董品の買取を依頼する際は、次のような点に注意しましょう。
買取店の得意分野を確認する
これから骨董品を鑑定してもらおうと考えている場合、その骨董品を正しく鑑定できるスタッフがいるお店を選びましょう。
例えば、茶道具を売ろうと考えているなら、茶道具を専門に取り扱っているお店の方が買取額にも期待が持てます。
逆に、刀剣を売りたいと考えているのに、絵画を中心に取り扱っているお店に依頼しても、鑑定を断られてしまうかもしれません。
売りたい骨董品と、その骨董品に精通していると思われるお店をマッチングさせることが重要です。
可能であれば「出張買取」を依頼する
骨董品の中には、その大きさゆえに持ち運びが難しいものもあります。
無理に自家用車などで運び出そうとすると、運搬の途中で傷が付いてしまうおそれもあることから、可能であれば「出張買取」をおすすめします。
出張買取であれば、鑑定士が自宅または骨董品が保管されている場所まで来てくれますから、貴重な骨董品を傷つける可能性が低くなります。
買取実績・信頼性を考慮する
骨董品の買取実績が多い場合、それだけ多くの品物を鑑定していることから、正確な鑑定が期待できます。
お店によっては、高額買取の実績をインターネット等で公表しているとこもあるため、どこに依頼すべきか迷っている場合は参考になります。
また、自分の身の回りに美術館で働く学芸員などがいる場合は、お店を紹介してもらうのも良い方法です。
いずれにせよ、骨董品の鑑定を依頼する場合は、信用できるお店を選びましょう。
骨董品の買取を依頼した後の注意点
骨董品を売却して得たお金は「譲渡所得」に分類され、金額によっては税金がかかる可能性があります。
具体的には、1個または1組の価値が30万円を超えるものが課税対象となるため、鑑定額が高額になった場合は注意が必要です。
仮に、100万円で購入した水墨画を500万円で売却し、売却にあたり発生した経費が10万円だったとしたら、所得は次のように計算できます。
500万円-100万円-10万円=390万円
加えて、特別控除の50万円を差し引くと、所得は340万円と計算できます。
骨董品の買取で生じた所得のルールは複雑なため、高額買取となった骨董品がある場合は、税理士に相談することをおすすめします。
まとめ
骨董品を買い取ってもらう場合、買取前・買取時・買取後にわたって注意すべき点があります。
特に、思い出の品を売り払おうと考えている場合、関係者の意見を聞いた上で買取を依頼すべきかどうか判断することが大切です。
また、骨董品が高値で売れた場合は、税金がいくらかかるのかについても確認しましょう。
金額によっては確定申告が必要になる場合があるため、骨董品や相続に詳しい税理士に相談することをおすすめします。