骨董品の買取を依頼する場合、自分で骨董品をお店まで持ち込む方法のほか、鑑定士に自宅等まで来てもらう「出張買取」という方法があります。
買取を依頼する側としては、自分で出歩く手間が省けて便利なように思えますが、注意しないと後悔することになるかもしれません。
この記事では、骨董品の買取を出張という形でお願いする際のメリットや、注意すべきリスクについて解説します。
骨董品の買取を出張でお願いするメリット
鑑定士の方に、自宅等まで出張という形で来てもらう場合、依頼する側には次のようなメリットがあります。
交通費が発生しない
自分で骨董品をお店まで持ち込む場合、お店までの交通費が発生します。
遠方のお店に向かう場合、その距離に応じて交通費も高くなることが予想され、せっかく持ち込んでも鑑定額が低いと損をすることになります。
これに対して出張買取の場合、多くの業者が無料で自宅等まで来てくれるため、骨折り損のくたびれ儲けになるおそれがありません。
特に、交通手段が限られている方にとっては、非常に有益な方法といえるでしょう。
骨董品を壊すリスクが減る
骨董品を自宅等から持ち出し、お店まで運ぶ場合、丁寧に梱包しなければ骨董品が壊れてしまうリスクがあります。
また、梱包の過程で汚してしまうことも十分考えられるため、保管場所から骨董品を動かすことなく鑑定を依頼できれば、運搬時に価値が下がるのを防げます。
この点は、特に大きな骨董品の鑑定時に重要なポイントです。
骨董品を車などで運搬していて、万一事故に遭って骨董品が粉々になってしまったら、悔やむにも悔やみきれないでしょう。
一度に複数の品を鑑定してもらえる
自宅に複数の骨董品がある場合は、鑑定士が滞在している間に追加で鑑定をお願いすることもできます。
骨董品がたくさんあると、持ち運ぶにも時間がかかりますから、出張買取を依頼した方が効率的です。
骨董品の買取を出張でお願いした場合のリスク
鑑定を自宅等で行う場合、次のようなリスクもあることから、業者や鑑定士を選ぶ際は慎重に選びましょう。
スケジュールを押さえる必要がある
出張買取を依頼する場合、特定の日にちでスケジュールを押さえ、当日は自宅などで待機しなければなりません。
仕事の都合がつきにくい、日中はほとんど家にいないなどの事情がある場合、出張買取を依頼できない可能性があります。
また、自分の都合の良い日が限られていると、業者側のスケジュールと折り合いがつきにくいため、結局持ち込みの方が好都合というケースも考えられます。
出張買取は便利ですが、万人にとってスムーズな選択肢とは限らない点に注意が必要です。
悪質な業者の場合は対応が面倒に
自宅等で鑑定を行う場合、鑑定士は依頼者とは赤の他人であることがほとんどです。
ほとんどの鑑定士は常識をわきまえており、家の中を物色したり、プライベートに踏み込んだりするようなことはありません。
しかし、一部の悪質な業者の場合、他に売るものがないかどうかしつこく確認されたり、納得のいく買取にならなければ居座ったりする場合があります。
この点については、女性一人で鑑定を依頼しない・口コミを確認して良い業者を選ぶなどの対策を講じましょう。
性格的な向き不向きもある
性格的に優しい人は、遠方からはるばるやって来てくれた鑑定士のことを気にかけてしまい、鑑定額が不満でも契約してしまうことがあります。
特段自分が価値を認めていない骨董品なら、それでも納得できるかもしれませんが、思い入れのあるものを妥協して決めてしまうと後悔するため、結果に納得できない場合は毅然と断る覚悟を持ちましょう。
まとめ
骨董品の出張買取なら、自分でお店に足を運ぶことなく鑑定を依頼できます。
また、骨董品を運搬する際に破損するリスクを避けることができ、複数の品を鑑定してもらう際もスムーズです。
しかし、業者によっては居座りなどの問題行動を行う鑑定士がやって来る可能性もあることから、出張買取を依頼できる業者かどうかは口コミ等を念入りにチェックすることが大切です。
毅然とした対応ができる自信がない場合は、友人や家族などに立ち会ってもらうのも一手です。